医療法で定める医療機関および医師等の基準の他に、健康保険法等の規定に基づき厚生労働大臣が定めた、保険診療の一部について、医療機関の機能や設備、診療体制、安全面やサービス面等を評価するための基準になります。
この施設基準は、厚生労働大臣が定めた医療機関における人や設備などに関する一定のルールがあります。その種類は400以上の項目があり、その内容は、以下のように多岐にわたります。
- 人員配置に関連する事項(歯科医師、歯科衛生士の人数や所定の講習を受けた人員の数など)
- 医療機関の実績に関連する事項(患者数や治療例など)
- 設備に関連する事項(滅菌や衛生に関する器具機材、切削器具の数など)
- 組織に関連する事項(管理体制や院内周知の状況など)
重要な4つの施設基準
その中でも、特に重視されるのが下記の5つの施設基準です。
か強診
正式名称:かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所
2016年4月より、厚生労働省により定められた歯科医院の施設基準の1つです。
少子高齢化に伴い、従来の治療中心型の治療ではなく、う蝕や歯周病などの予防や患者個々の状況に応じた口腔機能の維持回復を目指す目的で定められました。
その基準は下記に示すように多岐にわたり、全国7万歯科医院のうち、この基準を満たしている医院は10%未満です。
そのため、か強診の基準を満たしている医院は、より安心安全が得られる歯科医院と言うことができます。
外来環
正式名称:歯科外来診療環境体制加算
歯科治療においては、不安や緊張、体調不良などによって、治療中に緊急事態が起こった場合には適切な対応がもとめられます。
そのため、AEDなどの医療機器を備えたり、予め医科医療機関と密接に連携する体制を整えるなど、安心・安全の体制整備が不可欠です。
偶発事故を防ぐための適切な研修を受けた歯科医師が配置されていなければなりません。
「外来環」とは下記の基準を満たす歯科医院が各地方厚生局に届け出を行うことで認定を受けた医療保険算定上の加算のことです。
これらの施設基準を満たした歯科医院は、従来の診療報酬に加えて一定の加算(割増)が認められておりますので、より安心・安全な歯科治療を受けていただくことが可能となり、また診療体制整備への取り組みも積極的に行うことができるようになります。
在歯管
正式名称:歯科疾患在宅療養管理
歯科疾患在宅療養管理(歯在管)とは、厚生労働省の定めた施設基準を満たしていることを地方厚生局に届け出た歯科医院だけが行うことのできる在宅患者への療養管理であり、一般の診療報酬に加え、加算報酬が認められています。
歯援診
正式名称:在宅療養支援歯科診療所
訪問診療を行う上で、厚生労働省が求める下記の施設基準を満たす診療所のことです。
これらの施設基準を満たした歯科医院は、従来の診療報酬に加えて一定の加算(割増)が認められておりますので、より安心・安全な訪問歯科治療を受けていただくことが可能となり、また訪問診療体制整備への取り組みも積極的に行うことができるようになります。